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Find AF projectとは

 私達は、外来通院患者の心房細動(AF)を早期に発見するために、外来でスクリーニングを行っています。AFを発見するという意味で、Find AFと名付け、外来や病棟など病院全体で、取り組んでいるため、病院のprojectとして位置づけています。名称はバイエル株式会社の脳卒中予防のキャンペーン「Care AF project」に対応させています。

 左図は、当院で使用している自作アプリ「Pulse analyzer」の表示画面です。左:正常、右:AF。

 心房細動患者は一般に動悸や心不全症状を呈しますが、無症候性に発生してくるものがあることが問題で、これは10%程度と言われています。動悸、息切れなどで発症した患者は、比較的容易に診断は可能と思われますが、無症候の場合は、定期健診での心電図検査で発見される以外、それを検知する機会は乏しいと言わざるを得ません。特に脳卒中の一次、二次予防を行っている当院外来においてさえも、一般の発症頻度より多く心房細動が発生してくる可能性が高いにも関わらず、不整脈については関心が低いようです。

 生活習慣病を基礎疾患として加齢とともに発症してくる心房細動患者の増加により、心原性脳塞栓症患者は年々増加しています。その心原性脳塞栓症は脳梗塞の中でも最も重篤な病型であり、1年で約半数が死亡すると言われています。従って、予防が極めて重要な疾患であることは間違いありません。近年心房細動を有する患者は発作性心房細動も含めると100万人に達すると言われていることからも、決して少ない疾患ではなく、将来的にも増加する予測がされています。

 脳神経外科単科病院である当院での外来診療は、定期画像診断および主に抗血栓薬の投与と生活習慣病のコントロールを中心として、心血管イベントを抑制することにあります。従って、重篤な脳梗塞の原因となる心房細動を早期に発見することも重要な課題となります。

 心原性脳塞栓症で入院となる患者の多くは、かかりつけ医をもち、生活習慣病の治療を受けています。つまり、当院もそうですが、かかりつけ医で、無症候性心房細動を早期発見することにより、抗凝固療法を適切に開始すれば、心原性脳塞栓発症を抑制できる可能性が高いと考えられます。

 各医療機関が積極的に心房細動のスクリーニングを行うことが重要であり、私たちはその方法を提案していきたいと思います。重症の心原性脳塞栓症を診療する機会が多い当院であるからこそ、発症前のスクリーニングの重要性を強調する意義があります。

 生活習慣病を基礎疾患として加齢とともに発症してくる非弁膜症性心房細動患者の増加とともに、心原性脳塞栓症患者は男女とも増加傾向にあります。近年AFを有する患者はPAFも含めると100万人に達すると言われていることからも、 決して少ない疾患ではなく、将来的にも増加する予測がされています。AFおよびPAFは脳塞栓の主な原因となることが問題です。このタイプの脳梗塞は、脳梗塞の中でも最も重篤な病型であり、1年で約半数が死亡すると言われています。したがって、予防が極めて重要な疾患であることは間違いないでしょう。

AF &

PAF

Find AF project:       Aiming for early detection of atrial fibrillation

この取り組みの意義

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