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Network Meeting in HITACHINAKA 2014.10.3

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「当院における心原性脳塞栓症一次・二次予防の現状
─ 抗凝固療法について ─」
当院は、年間約1500人の入院患者があり、そのうち、脳卒中症例は50%に及ぶ。その内訳は、2013年データで脳梗塞が74%、脳内出血が20%、くも膜下出血が6%である。脳卒中を中心に診療を行っている脳外科単科病院である。
まずはじめに、2011年から2013年に当院で治療した心原性脳塞栓症(CE)299例の解析を報告した。CE発症患者の退院時転帰は、mRS 5および6が26%を占め、他の病型に比して極めて不良であった。ワルファリンは73例に使用されていたが、大多数はPT-INRが2以下であり、under doseの状態で発症していた。NOAC内服例でも8例の発症があった。一方、脳内出血(2011年3月から2014年4月データ)についてみると、ワルファリン内服例がNOAC内服例に比して、圧倒的に多かった。それぞれ、5.8%、0.9%であった。
CE発症前の抗凝固療法の状況は、42%は抗血栓薬なしで、抗凝固薬内服例は、27%のみであり、CEに予防効果のない抗血小板剤のみが30%であった。不整脈があっても、抗凝固療法されずにいる。あるいは、不整脈が認知されないで発症している患者が多い。今回の検討でCE発症患者の91%はかかりつけ医通院中に発症しており、かかりつけ医での心房細動(AF)管理およびAFの早期発見が重要と思われた。当院では、外来通院患者がAFを検知されずにCE発症することがないように、AFを検知する取り組みを行っており、実際に経年的にCE発症が減少していることを示した。
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