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日本脳卒中学会総会 2013.3.23 

 

Find AF project     ─ 心房細動の早期発見を目指して ─

Find AF project     ─ Aiming for early detection of atrial fibrillation ─

聖麗メモリアル病院 岡部 慎一

佐藤明善、田村康夫、杉山耕一、藤山陽子、布施仁智

 

【はじめに】

 心房細動(AF)を有する患者は近年増加傾向にあり、心原性脳塞栓症の発症予防が重要となる。しかしながら、当院一般外来において無症候性AFを発見できる体制にはなっていない。そこで、AF患者を積極的に発見する取り組みを行った。

【対象と方法】

 外来患者が必ず診察前に測定する自動血圧計を、不規則脈波(irregular heart beat: IHB)検出機能付きの機器(以下、IHB検出血圧計)に変更した。この機器で脈不整を検出した患者あるいは医師・看護師の触診で脈不整と判断された患者に対して積極的に心電図検査を行った。これとは別に機器の精度をみるためAFにより抗凝固薬内服中の患者につき、脈不整の有無を調べた。2011年12月から2012年5月までの半年間に登録された499人を分析対象とした。延べ742回の測定機会があった。新規にAFが確認された患者については、循環器科へ紹介するとともに、原則的にCHADS2 スコア2点以上で抗凝固療法を開始した。

【結果】

 新規診断あるいは新規に抗凝固療法が開始されたAF患者は18人であった。半年間に外来を受診した患者の0.1%にあたる。IHB検出血圧計であっても、25.7%でAFの脈不整を検知できなかった。9.4%においては、IHB検出血圧計、触診いずれも不整なしと判定され、発作性AF患者と考えられた。

【結論】

 一般外来において無症候性AFを発見し、抗凝固療法を開始できた。しかしながら、IHB検出血圧計のみでは不整なしと判定される場合も多く、見逃しの可能性がある。そのため触診が有用であるが、AF検知精度の高い機器開発も今後必要である。発作性AFについては、発見が難しいため、多くの機会に脈不整を検出できる体制が必要である。

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