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ひたち脳卒中研究会 2012.11.21

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「私達は心房細動を見逃していないか」
2011年11月の前回ひたち脳卒中研究会において、当院で行ったt-PA治療成績調査結果を発表した。約5年間で64例の使用数があり、そのうち42例(65%)が心原性脳塞栓症(CE)の患者であった。治療成績は残念ながら良好とは言いがたく、退院時mRSが0-2の方が33%程度であった。つまり、CEの多くは一度発症すると、血栓溶解剤(t-PA)を適用したとしても、極端に予後が改善される訳ではないことが分かる。CE患者42例を不整脈の有無、治療状況から分類してみると、発症前に不整脈の指摘があったものが25例、なかったものが17例であった。不整脈の指摘があったもの、つまり心房細動(AF)が分かっている患者については、適切な抗凝固薬内服でのCE予防が重要である。つまり、Care AFとしての視点が大切である。一方、AFが指摘されることなく、突然CEを発症してくる方の中には、不整脈が診断されずに見逃されている方と新規に発症してきてCEを突然起こす方がいることになる。つまり、このような方達に対しては、AFを医療者側から積極的に発見していく、Find AFという姿勢が必要なのではないかと考えた。このことを踏まえて、外来に不規則脈波検知機能付き自動血圧計を設置して、不整脈のスクリーニングを行ったところ、半年間で18人の無症候性AFが発見され、抗凝固療法を開始することが出来た。外来でのAF見逃しによるCE発症を予防していくことの重要性を強調した。
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